【いつから始める?】赤ちゃんのスイミングスクール、メリットと注意点

最近、担当した乳幼児健診で「赤ちゃんをいつからスイミングスクールに通わせたらいいですか?」という質問をよくいただきます。水泳は心肺機能を高め、基礎体力の向上にとても効果的です。我が家でも、私が幼少期にスイミングスクールに通っていたこともあり、娘にも習わせたいと思っています。

そこで今回は、スイミングスクールの開始時期やメリット・デメリットについて、私の経験と医学的な観点からご紹介したいと思います。

1. スイミングスクールはいつから始めるべき?

スイミングスクールを始める時期は、まず「首がしっかり座っている」ことが大前提です。さらに、体幹がある程度保持できる生後6ヶ月以降が適切だと考えています。ただ、各家庭やお子さんの発達状況に応じて、無理なくスタートするのが大切です。

2. スイミングスクールのメリット

1. 水への恐怖心を減らす
早いうちから水に親しむことで、将来水泳に対する抵抗感が減ります。水が怖くないという体験は、お風呂や水遊びの時間も楽しいものにしてくれるでしょう。

2. 体力や運動能力の向上
水中での動きは全身運動となり、筋力やバランス感覚の発達に役立ちます。特に幼少期にこのような運動を行うことで、基礎体力の向上につながります。

3. 親子の絆を深める
多くのスイミングスクールでは、親子で参加できるクラスが用意されています。一緒に水の中で楽しむ時間は、親子のコミュニケーションを深める素晴らしい機会です。

4. リズム感や協調性の育成
音楽に合わせた動きや、グループでの活動を通じて、リズム感や協調性を養うことができます。

3. 注意すべきデメリット

1. 感染症のリスク
プールは多くの子どもが集まる場所なので、耳の感染症(中耳炎)や水いぼ、風邪などの感染リスクがあります。また、アトピー体質の子どもは、喘息の発症リスクが高まるという報告もあります。施設の衛生管理がしっかりしているかを確認することが大切です。

2. 子どもの拒否反応
子どもによっては水を怖がったり、環境に馴染めない場合もあります。無理に続けると、水に対するネガティブなイメージを持ってしまうことがあるので、子どもの反応をよく見ながら進めていきましょう。

3. 低体温のリスク
特に乳児の場合、適切な水温は32~33度と言われています。一般の温水プールよりも高めの温度が必要で、30分以内の入水が望ましいです。お子さんの体形や皮下脂肪の薄さを考慮し、短時間で切り上げることもポイントです。

4. 水中毒のリスク
プールの水を誤って大量に飲んでしまうことで、低ナトリウム血症や痙攣のリスクがあります。500mlほど飲んでしまうケースもあるようです。スイミングスクールのスタッフはこのリスクを理解していると思いますが、こうした危険性があることを知っておくと安心です。

4. 米国小児学会(AAP)のガイドライン

2000年に米国小児学会(AAP)は、1歳未満のスイミングプログラムの推奨を控えるべきだと発表しました。理由は、幼児に対するスイミングクラスが水泳技術や溺水防止のスキル向上に十分な効果があるという科学的証拠が不十分だったからです。また、浮き具への過信や誤解を防ぐための注意も強調されました。

しかし、その後、2020年にガイドラインが見直され、1歳以上の子どもに対するスイミング教室が適切な監視と安全対策のもとで溺水防止に有効であるとされました。この最新の勧告は、科学的知見を基にしたもので、親がスイミングスクールを検討する際の参考になると思います。

まとめ

スイミングスクールの開始時期や内容は、お子さんの発達段階や家庭の状況に合わせて、無理なく始めることが大切です。また、メリットとデメリットをしっかり理解し、スイミングが楽しい体験となるよう見守っていきましょう。

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